プラズマ・核融合
グループ


プラズマは物質第4の状態とも呼ばれ、気体を構成する原子や分子がイオンと電子にわかれた高温ガスです。イオンや電子といった荷電粒子の性質を持つと同時に、流体としての特性も持ち合わせたスマート流体(機能性流体)の一つです。私たちのグループでは、究極のカーボンニュートラルエネルギー源である核融合発電の実現を目指すと共に、スマート流体としてのプラズマを活用した低炭素社会の実現を目指した研究に取り組みます。

混相流グループ



自動車や輸送機器などの動力エネルギーシステム、いわゆるエンジン部分に関するさまざまな現象を研究しています。自動車をはじめとした輸送機器におけるエネルギー損失やエミッション(排気ガス)の低減に繋がる流体力学的要素を見出し、実験と数値シミュレーションを用いて「流れ」および「流れ場」の挙動や相関の解明に挑んでいます。




異分野連携グループ



流体工学とは異なる分野の学問と連携することで流体工学の理解を深める、あるいは流体工学の技術を他分野へ応用することを目指しています。

・数理科学と流体工学の連携

・乱流解析手法の開発

・流体工学の医理工分野への応用






プラズマ・核融合グループ

実験・解析班

核融合実験で得たデータを解析することは、核融合プラズマの基礎物理の理解や核融合炉実現のための、非常に重要な手段の一つです。私たちのグループは、核融合科学研究所などの各種研究機関や他大学と連携して共同研究を行い、データ解析、考察などを行っています。特にLHDやJT-60SAなどの大型の実験装置を対象に実験データの解析を行なっています。

また、小型ステラレータ型(=ヘリカル型)装置 HU-Heliacを所有しております。HU-Heliacとは4周期のヘリアック装置で、立体磁気軸ステラレータ型装置となっております。下にプラズマパラメータを示しています。


装置本体の外径2160mm
装置本体の高さ1720mm
プラズマ大半径480mm
プラズマ小半径60mm
電子温度100eV
電子密度10^18 m^-3
磁場0.1T

シミュレーション班

核融合の分野には未だ解明されていない現象がたくさんあります。私たちのグループでは,核融合プラズマで観測される複雑な現象を計算機シミュレーションで再現し,そのメカニズムを解明する研究に取り組んでいます。特にLHDやJT-60SAなどのヘリカル型およびトカマク型におけるプラズマをシミュレーションしています。

プラズマスラスタ班

深宇宙の探査のためには、いわゆる内燃機関の化学的ロケットではなく、プラズマを活用した電気推進が有力視されています。比推力可変型プラズマ推進機と呼ばれおり、生成したプラズマを磁気ノズルによって加速することで高い推力を得るシステムです。当研究室では、MANATEE(MAgnetic Nozzle Acceleration Thruster with Electrode-less Experiments)を用いて、マイクロ波を活用したプラズマを使ってこの比推力可変プラズマ推進機の研究を行っています。

混相流グループ

バッテリー冷却班

車載用バッテリーは「新車時から10年後,容量が70 %に低下」という問題を抱えています.また,バッテリーは適温域が狭く,高度な温度制御が必要であるため,冷却システムが非常に重要な役割を持ちます.私たちのグループではバッテリー冷却管の流動・伝熱状態の解明を目的に,気相・液相の混相流を主な対象として実験,解析を行っています.

気液二層流班

さまざまな形状のパイプ内で空気と水がどのように一緒に流れるかを理解することは、工業プロセスや原子炉を含むさまざまな工学分野にとって非常に重要です。 私たちは、相分離やプロセス制御などの利点を提供する石油や自動車分野などの業界に特に関連する、層状の気液流体制に焦点を当てています。 複雑な形状におけるこれらの現象を調査することは、特に自動車のマフラー部ような、排気ガスの冷却によって液体がたまり、センサーが故障することを防ぐために重要です。実験的アプローチと数値的アプローチを組み合わせて、空気と水の界面を精査し、モデルを正確に検証します。 これらは速度場や渦の形成などの要素を詳しく調べ、それらの相互作用の理解を深めます。 さらに、この研究は脈動する気流条件にも拡張されており、動的な運用シナリオについての洞察が得られます。 私たちの研究は、さまざまな産業および環境用途への影響を伴う、二相流力学の理解を高めることを目的としています。

異分野連携グループ

超音波トモグラフィ班

本研究は気液二相流の速度場計測を目的とした超音波トモグラフィの開発を目的としています。工業分野において気液二相流は広く用いられ, 流体中での二相流の流動を捉えることは工業製品の製造において高品質の製品や安全性を提供することに繋がります。 流体計測には様々な手法が開発されているが、超音波トモグラフィによる流体計測のメリットの1つに対象とする媒体を選ばないことが挙げられます。

このようなメリットから超音波トモグラフィによって流体の速度場計測の開発を目的としています。

画像解析班

画像解析手法を使用し、オーロラ現象の解析を行なっています。オーロラは地球の磁気圏に太陽風が運んできた荷電粒子が衝突することで発生します。オーロラの動きがどのように生じて、発展していくかを画像解析によって明らかにするのが研究の目的です。他にも共同研究を行なっており、異常をきたしている細胞を深層学習を用いた画像認識手法で自動検出する研究も行なっています。

下の図は画像解析によってオーロラの動きを計算した例。左は処理前、右は処理後。